ひとことでまとめるなら、人に好かれるために演技する人。
どこまでが演技でどこからが素なのかの見分けが難しいキャラなので、判定難易度もやや高めです。なぜ演技をするのか?に注目するとタイプが見えてきやすいかも。あと典型的なタイプ3を知っていると余計タイプ3に見えないかもしれません。
タイプ判定
9タイプ:3w2「スター(花形)」(※若干の9分裂が見られます)
本能サブタイプ:Sx「いい男(女)」
成長のレベル:レベル5~6付近
統合分裂:9への分裂あり
トライタイプ:3-7-9「大使(Ambassador)」
タイプ3と判定しましたが、(トライタイプと分裂が原因となっているタイプ3らしくない部分があるため)典型的なタイプ3の特徴を知っている人は本当にタイプ3なのか?と思うと思います。
「根源的欲求」と「根源的恐れ」に関しては描写があるので、そのあたりを手がかりに判定していくことになります。また、ローレンツとよく似ている部分がいくつかあります。その似ている部分もヒルダの判定理由となります。
あとトライタイプがあると少しわかりやすいかもしれません。
人に好かれるために
3w2の特徴:社交好きで自分の見栄えを大事にする。人から好かれ、人の関心を集めたい。
よくいるタイプ3は自分が成し遂げたことに目が行きがちですが、ヒルダの場合自分の魅力や好かれていることに目が行きがちです。

(ヒルダは若干不健全であることもあり)人に関心を持ってもらうことに夢中になっていて、そのためにおねだりしたり着飾ったりしているイメージです。着飾るときもモテることや人に好かれるように自分をかわいく見せることを意識しています。人にいい印象を与える人気者でありたい。自分の価値は「人を引き付ける力(魅力)」だと思っています。
あとこの3w2というタイプですが、書籍では「どうすれば人は自分に関心を持ってくれるか?を知っている」とよく書かれています。(ヒルダの場合はどうおねだりすれば人は手伝ってくれるかと言うべきかもしれません。)
値打ちがないことには意味がない
タイプ3の根源的恐れ:値打ちがないこと。達成したこと以外、価値を持たないこと。
タイプ3の根源的欲求:価値ある自分でありたい。

対ベレスの支援Aより。ヒルダの根源的恐れが見える数少ない支援会話のひとつです。
タイプ3は「価値がないこと」を恐れるがゆえに、人から認められることにとにかくこだわる人になります。「人に気に入られなければ、自分に価値はない」と言わんばかりに…。
(「達成したこと以外、価値を持たない」について補足。誰かから期待されれば、応えなければならない。応えられなかった場合、それはつまり「達成できなかった」ことであるから、そこに価値はない。)
「できない子」であることによって期待を避ける
タイプ3レベル5:相手に対してよい印象を与えるが、言動が完璧すぎるがゆえに相手にはある程度練習したものであると気づかれる。言動にはどこかわざとらしさがある。
9に分裂したタイプ3:目立ちたいという欲求はあるが、自分をあまり出さなくなる。
ウィングを問わずレベル5以下のタイプ3は、人にいい印象を与えるために、外面を飾ります。
この傾向が一番わかりやすい形で出ているはローレンツ(自分の気持ちを無視してでも自分が思っている「完璧な貴族」であろうとする)なのですが、ヒルダに関してもみられます。
ヒルダの場合は怠惰(※分裂先であるタイプ9の囚われでもある)を演じることで「達成できないこと」を避けます。

ヒルダの判定が難しい理由はずっと演技をしていて素顔を見せることがほとんどないため。
タイプ9と似たような考えを言うことも多々あります。しかし、対シルヴァンのBあたりで見られるのですが、ヒルダの「怠惰」は若干不自然なときがあります。作中指摘の通り、「怠惰なヒルダ」は演技であるためです。そのためか、怠けているヒルダのセリフは若干のわざとらしさが残っています(対ヒューベルトのBでタイプ9であるリンハルトがヒルダのようなことを言うんですが、リンハルトには演技しているようなわざとらしさがありません。)。
トライタイプの話
クロード編同様、ひよこくんとふくろうくんの独自解釈には大変お世話になりました。

(※今回主に参考にするのは「基本タイプが3」の部分です)
上から人をコントロールしようとする、というのは自分で情報を集めに行くのではなく情報をまとめる係をやろうとしていたりするあたりによくあらわれています。

また、ヒルダは人を動かす(ここでは、男子に自分の面倒ごとを手伝わせる)のが上手です。自分でやりたがらないけど、人に指示を出したり人を動かしたりするのは得意分野。「後ろから男子生徒を応援します!」はある意味「自分が得意なところで役に立ちます」と言っているようなものかも。
あとメインタイプの3はさておき7と9はどこから出てくるんだ、という話もしておきます。
まずはタイプ7から。ニンドリの名言に選ばれたこのセリフから。

タイプ9については、対カスパルや対メルセデスから。ヒルダの場合健全度の都合で9への分裂も起こしているため、タイプ9が前に出てくる頻度はやや高めです。そのためタイプ9のリンハルトの考え方と比較するとわかりやすいかもしれません。

ヒルダの問題への対処パターンは、放っておくか、何とかしてもらうかの二択。
放っておく=リンハルトやマリアンヌと同じ対処の仕方。タイプ9のやり方です。
何とかしてもらう=自分のために人を動かす、3-7-9「大使」らしいやり方。
といった感じか。
対メルセデスの話もしておきます。
メルセデスに任せておくと、逆にめんどくさくなるから、自分でやった方がよかったかも…。という考え方がリンハルトによく似ています。ポイントはなぜ人を手伝うのか?で、ヒルダの場合は「人に任せると自分でやるより余計にめんどくさくなるから」。メルセデスのおせっかいとは大きく異なる点です。
トライタイプ3-7-9「大使」はクロードと同じタイプ(メインタイプは違うけど)。3、7、9の強さはヒルダの場合は3>9>7、クロードの場合は7>3>9くらいか。クロードと同じタイプということはすなわちある出来事に対しクロードと同じような反応をするということです。紅花で加入しない理由についてですが、「クロードと対立するから加入しない」という考え方ができたりします。他のルートではクロードは「敵」ではないからね(※青獅子のアレは除外)。
また、「7と9を使って楽観的な人を作り出すことで、メインタイプである感情センターのタイプを隠す」構図は、実はシルヴァン(4-7-9「妖精」)とよく似ていたりもします。
まとめ
価値がないことを恐れ、価値ある自分を演出しようとしている(価値ある自分=みんなが気にかけてくれる人気者)。
若干健全度が低く健全なときより気に入られたいという思いが強くなっているがために、演技がわざとらしくなっていることもある。
一般的なタイプ3は成果のために働くことが多いが、トライタイプと9分裂のために自分を出さなくなっている(結果、怠惰なヒルダが完成する)。
ざっくりまとめるとこんな感じです。